文部科学省は、2024年度の次期教科書改訂にあわせて、デジタル教科書を同年度に小学校で本格導入する方針を示しました。
現在の紙の教科書内容をタブレット端末などに取り込んだデジタル教科書が、児童生徒1人1台ずつ用意されることにより、特別な支援を必要とする子どもを含め、多様な子ども達ひとりひとりに個別最適化された教育ICT環境が実現し、教師・児童生徒の力が最大限に引き出されることが期待されています。
【デジタル教科書で学習上役立つ機能】
・拡大、書き込み、保存、機械音声読み上げ、背景・
文字色の変更・反転、ルビ、朗読、本文・図表等の
抜き出し、動画・アニメーション、ドリル・ワーク
シート等
【デジタル教科書と他のICT機器等を一体的に使用することで、
可能となる学習方法の例】
・大型提示装置による表示、ネットワーク環境による共有等
【デジタル教科書の活用による効果】
《小学校の事例・声》
(国語)
・書き込み機能により、児童の考えの形成が促される
・文章を抜き出して活用するツールにより、対話的で深い学びを実現
・書き込み機能により能動的な学習が促進され、考えを共有しやすくなる
・保存機能により、過去と現在の授業内容を比較することで、
文章を構造化してとらえやすくなる
(算数)
・拡大機能を活用することで、児童を課題に着目させ、解法の考察活動に集中させる
・デジタル教科書への書き込みとその共有により、統合的・発展的な考察活動を実現
(理科)
・デジタル教科書と一緒に実験説明の動画を活用し、児童に安全な実験活動を行わせる
・実験結果を整理するツールを活用し、 問題解決学習を活性化
(社会)
・デジタルとアナログの資料を使い分けることによる興味・関心の喚起
・資料の拡大により疑問点を引き出し、多角的な思考を伴う調査活動を実現
『デジタル教科書 実践事例集』(文部科学省 2019年3月)
1.体験型学習、能動的学習(アクティブ・ラーニング)
⇒知的好奇心の刺激、学習モチベーションのアップに
つながる
2.高い再現性、現実に近いシミュレーション、
情報の3D・可視化
⇒即時対応力や応用力の養成、理解が促進される
3.教材の小型化、携帯のしやすさ、アプリ化
⇒時間や場所に依存せず学習できる
4.STEAM教育の実現
⇒科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、リベラル アーツ・
教養(Arts)、数学(Mathematics)を活用した文理融合の課題解決型教育の実現
5.遠隔授業(オンライン授業・リモート授業)の実現
◎これらのメリットにより、従来の学習にはない「高い学習効果」が得られます。
国語:現代文・古文・漢文
・物語や事実の背景知識を3D動画や映像等で
学習する
・古文(源氏物語や枕草子など)のストーリーや
人間関係を3D動画や映像等で学習する
算数(数学):
・面積・体積・回転体・最大最小など図形空間
認識の問題を3Dで学習する
・問題集にスマートフォン等をかざすと解説や
類題が表示される
理科:実験学習・物理・化学・生物・地学
・物理・化学実験を3D動画で学習、実験の予行練習をする
・DNA鎖・赤血球の構造、人体の構造(骨・心臓・血管等)を3D動画で学習する
・化学元素の名前、原子量を3Dで学習する
・光の三原色や化学反応を3D動画で学習する
・教科書や図鑑にスマートフォン等をかざすと、生物(生態系)の3D動画が見られる
・地震の発生メカニズムを3D動画で学習する
・宇宙の仕組み・天体の動きを3D動画で学習する
・運動エネルギーや万有引力の法則を3D動画で学習する
社会:校外学習・社会科見学・地理・歴史等
・疑似職業体験(工業・農業・林業・水産業等)
・歴史上の重要な出来事(関ヶ原の戦い・桶狭間の戦いなど)を3D動画で再現する
・校外学習方法として、VR技術を活用して、先生がガイド役となり、生徒たちは、
国内だけでなく各地の映像を360度の映像や3DのCG画像を見ながら教室等で学べる
英語:英会話(発音)・英語翻訳
・AR/VR技術を活用し、英語など語学の4技能(リーディング、ライティング、
リスニング、スピーキング)全ての論理的思考力、実践応用力を身につけるトレー
ニングを行う。英単語の意味、発音、用法などの基礎知識はARを活用するほか、
リスニングやスピーキングなどは、教室等でVR技術を活用して、リアルに近い
模擬体験をしながら語学トレーニングを行う
・タイムトラベル(時間旅行)やテレポーテーション(瞬間移動)を計画して、
歴史上の人物に会ったり、世界遺産・建造物を見たりする
実技4科(保健体育・技術家庭・美術・音楽):
・スポーツ選手の動きの解説や専門家の指導を3D動画や映像等で行う
・高度なトレーニングを必要とするスポーツ競技を疑似体験する
・作業の工程や危険性を3D動画や映像等で解説しながら作業の疑似体験・訓練をする
・臨場感を伴う芸術鑑賞を行う
・芸術作品の背景知識を3D動画や映像等で学習する
・視覚、聴覚、触覚を組み合わせた実技・芸術教育を行う
・遠隔コミュニケーションを伴う実技指導を行う
その他:学校の防災訓練・避難訓練
◎AR/VRが持つ高い再現性、現実に近いシミュレーション機能によって、リアルに近い体験に基づく学習が可能になり、知識の吸収が劇的に向上します。
デジタル教科書となるタブレット端末に本アプリケーション(Creator AVR:Learn)をインストールして使用することで、自然、生物、機械などを3Dモデルで表示して、自然現象、生物の身体の仕組みや生態、機械の構造など、各教科にも対応して幅広く学べます。
従来の紙の教科書には無かった、3D動画や映像などによる視覚的学習、実際の音を取り入れた聴覚的学習も可能になります。
◎本アプリケーション(Creator AVR:Learn)の活用により、体験的・能動的・文理融合の課題解決型であるSTEAM教育の実現やEdTechの導入が可能になります。
※STEAM教育:科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、リベラル アーツ・
教養(Arts)、数学(Mathematics)を統合する教育手法
※EdTech:Education(教育)×Technology(科学技術)を掛け合わせた造語。
AI、IOT、AR/VR等のテクノロジーを活用した革新的な能力開発技法